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<日本酒造青年協議会概要>

本会は、昭和30年9月、各府県醸造関係青壮年団体の統合統括機関として「全国清酒協議会」の名称のもと設立され、爾来、清酒業界における清新な活動団体として業界諸般の問題に対し真摯な検討を加え、率直な見解を表明するとともに、必要に応じそれぞれの機関に陳情要望を続けています。

近年、本会が各方面に陳情要望等を行う場合において、その存在意義をより理解しやすくする必要があるため、平成3年10月1日をもって「日本酒造青年協議会」と名称を変更しました。

本会の事業の一環である日本酒造組合中央会に対する協力として、イベント・研修会等に当たり、その企画運営等に参画し、意見が反映されています。また、日本酒造組合中央会理事会、評議委員会、各委員会に会員が参画し、意見の提案・反映がされています。


さらに、本会の活動に対して日本酒造組合中央会から昭和45年度より助成金が交付され、期待をかけられています。



◆名称     

       日本酒造青年協議会 会長 北原 対馬(キタハラ ツシマ)

     

2004年大学卒業後渡米。米国の日本食レストランのみならず、多ジャンルのレストランで日本酒や焼酎の卸業務に従事。3年間で1000軒以上のレストランに営業活動を行う。2007年家業である七賢醸造元の山梨銘醸株式会社に入社。主に営業及び経営企画を中心とした業務をこなし、2018年に同社代表取締役社長就任。「継承と革新」を大切に日本酒の「高付加価値化」と「国際化」を成し遂げることを目標としている。2016年より一般社団法人awa酒協会専務理事、2022年より山梨県酒造組合の副理事長に就任し、国内外における日本酒の普及推進にも取り組んでいる。

He moved to the U.S. after graduating university in 2004. There he engaged in the wholesale business of sake and shochu not only in Japanese restaurants, but also in restaurants across a variety of genres, and conducted sales activities to over a thousand restaurants in three years. In 2007, he joined the family sake brewery. He was appointed President and Representative Director of the company in 2018, primarily focusing on sales and corporate planning. The company's goal is the production of high value-added sake and its internationalization, embracing innovation while honouring its ancestral roots. He has been the Executive Director of the AWA Sake Association since 2016 and Vice President of the Yamanashi Sake Brewers Association since 2022, where he also promotes Japanese sake both domestically and internationally.

2024年5月14日

日本酒造青年協議会 会長就任に際して  
はじめに

数千年の歴史を有す日本酒業界が、この半世紀苦しんでいる。日本酒の出荷量は1973年を境に上昇から下降に転じ、1973年からすると現在は四分の一を下回り230万石程度と大変厳しい出荷量である。このわずか半世紀の間、日本酒の生産者は激減し、また創業家から他の経営者へと移行することもしばしばである。社会成熟とともに一人当たりのアルコール消費量が減ることは理解できるが、この間、国内ではウイスキーのように成長を遂げた業界もあるのも事実である。

現在の国内におけるアルコール出荷のうち、日本酒の占める割合は約4.6%であるが、まだまだ国内での日本酒の拡大余地はあるのではないかと感じている。そして一方、世界各国では日本食文化が広まるにつれて日本酒の輸出量も十数年に渡り伸び続けている。

このような中、我々生産者は日本酒復権に向けてあらゆる醸造技術を生み出し、この数十年における日本酒の品質向上は目を見張るものがある。醸造科学の進歩や、創業家自らが酒造りの陣頭指揮を取るなど、弛まぬ努力のおかげで現在の日本酒の品質はかつてと比べ格段に向上したと言える。また世代交代が進む中、青年期をワインやカクテルで過ごした者も多いであろう。日本酒で育った世代から、日本酒以外の酒類で育った世代へと、大きな変化である。

日本酒造青年協議会のメンバーの多くが、日本酒しかない時代ではなく、日本酒もある時代で育った蔵元であろう。アルコールシェア5%を切った日本酒市場に千軒以上の同業者が競い合うのではなく、他のアルコール飲料を愉しまれる消費者に対してどのようなアプローチができるのかを真剣に考えなくてはならない。4000億円程度の市場でシェアを奪い合うことも大事であるが、普段日本酒を飲まない消費者に対して、どのような取り組みができるのかを問う必要性があるのだと思う。

そして伝統的にどの生産者も手掛けてきた本醸造酒や普通酒の消費量が落ち込む一方で、純米酒や吟醸酒などのワイン感覚で華やかな香りを楽しむスタイルの日本酒の比率が増えている。まだまだ普通酒や本醸造酒の数量には追いつかないが、我々生産者の多くが高付加価化に取り組むことが経営的にも大切な要素となっている。かつてフランス政府の後押しのもと、ボルドーやブルゴーニュは半世紀以上も前からワインの国際化に向けた取り組みを行っており、まさに現在我々が行なっている「種まき」のような市場拡大に向けた取り組みを行なってきた結果、現在の世界的ワインの市場拡大に貢献していることは間違いない。また世界各国で葡萄の生産、ワインの生産が活発となり、ワインが世界的なアルコール飲料として拡大したのがこの半世紀でもある。

日本酒の消費とワインの消費はおおよそ対照的な動きを遂げたこの半世紀を見つめ直す必要があるのではないか。ワイン業界の取り組みを模する必要は全くないが、ワイン業界は国際化や高付加価値化に向けた取り組みを続け、確実に結果として残してきたことも事実である。私たち、日本酒文化の継承者として次の世代がさらに充実した経営環境となるよう、今できることに対して真剣に取り組んで行かねばならないのだと思う。ここに集まるメンバー一同は、日本酒をもっと美味しく、もっと楽しく、もっと多く消費者々に愉しんでいただきたい、その想いは重なるはずである。数多くの日本酒イベントが全国各地、世界各地で開催される中、国内外への総出荷量は依然として右肩下がりが続いている。どのイベントも盛況ではあるものの、実需が伴わない現象、これこそが全ての答えなのだと考えている。私たち生産者が行わなくてはならないこと、そうでないこと、そろそろ真剣に考え答えを出すタイミングであると感じている。

◆会員
 42都道府県の酒造青年団体を会員としており、各青年団体の会員総数は約800名(うち女性が30名)となっています。


◆事業概要
 日本酒の需要振興、イベント事業の実施、日本酒をめぐる諸問題の研究を重点事業とし、各団体の情報交換、酒類業界の環境変化についての研究・検討、日本酒造組合中央会に対する協力などに取り組んでいます。

 

◆役員名簿

2024年5月14日

氏名 会社名 県名 所属団体
飯沼 一喜 (株)飯沼本家 千葉県 青年醸友会
岡部 彰博 岡部合名会社 茨城県 茨城研醸会
山本 晃嗣 (株)山本本家 京都府 清酒青年協議会
阿部 昌弘 阿部勘酒造(株) 宮城県 宮城醸和会
橋本 康弘 初亀醸造(株) 静岡県 静酉会
吉田 泰之 (株)吉田酒造店 石川県 醸友会
石井 宗太郎 亀齢酒造(株) 広島県 研酒会
武田 昇三 武田酒造(株) 愛媛県 緑水会
麻生 益寛 八鹿酒造(株) 大分県 酒造豊友会
北原 対馬 山梨銘醸(株) 山梨県 青年醸友会
岡空 聡 千代むすび酒造(株) 鳥取県 青醸会
白樫 政孝 剣菱酒造(株) 兵庫県 清酒青年協議会
宮坂 勝彦 宮坂醸造(株) 長野県 若葉会
佐藤 曜平 荻野酒造(株) 宮城県 宮城醸和会
辻 総一郎 (株)辻本店 岡山県 研醸会
前垣 壽宏 賀茂泉酒造(株) 広島県 研酒会
山村 弥太郎 山村酒造(名) 熊本県 士日会




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