インターナショナルワインチャレンジ2025 ロンドン審査会報告(審査会全体編)
2025年4月14日から4月17日までの4日間、ロンドンにおいて本年のInternational Wine Challenge(IWC)Sake部門の審査会が開催されました。



今年1478銘柄の日本酒がエントリーされ、18の国と地域から総勢70名の審査員が集いました。


IWC審査会のジャッジは下記5つの役割に分かれ、グループの取りまとめを行うパネルチェアを中心に、1グループ4~5人構成で審査は進みます。

Co-Chairman:審査の最高責任者 5名
Panel Chairman:各審査グループの取りまとめの責任を持つ上級審査員 12名
Senior Judge: パネルチェア補佐
Judge:一般審査員
Associate:初めてSake審査に参加する審査員
ここに今年から日本酒蔵関係者がオブザーバー参加できることになりました。
今回は、
長野県 宮坂醸造 Hugo Chanさん
和歌山県 平和酒造 木加奈子さん、
岡山県 三冠酒造 前畠真澄さん
広島県 賀茂泉酒造 前垣壽宏さん
の4名が渡英され、彼らの評価は審査結果に影響を与えない条件ですが、他の審査員と同様に各グループに加わり、ジャッジを行っていただきました。
1日目、2日目前半の審査では、メダル受賞するに値するか、メダルに届かずCommended(推奨酒)かOutに振り分ける作業をまず行います。各テーブルでCommendedまたはOutと判断されたものは、全てCo-Chairmanに集められ、その判断で良いか2回目の審査がなされます。この審査でも結果が変わらない場合はこの段階で結果確定しますが、Co-Chairmanの判断でメダル審査に戻したほうがいいものは、3日目の審査に進みます。
また、明らかにFault(欠陥)があると判断されたお酒は、事後に審査員がチェックできるように分けられます。TCAやSulfide(硫化)、Volatile(揮発)、Oxidation(老ね)などがチェックされます。







2日目の後半と3日目はメダル受賞に値すると判断されたお酒を、ゴールド、シルバー、ブロンズの何に該当するかを再審査します。
各グループで決めたメダルの色について更にCo-Chairmanが確認をし、メダルの色が決定します。特にゴールドのお酒については厳しく審査されます。















最終日の4日目は、ゴールドメダル受賞酒の中から トロフィー、リージョナルトロフィーそして「チャンピオン・サケ」を決定します。
5名のCo-Chairmanによって、カテゴリー毎にゴールドに選ばれたお酒から、最も優れた部門最優秀にあたるトロフィー酒を選んでいきます。
部門の中でトロフィーが1つと決められない場合、トロフィー候補となったお酒だけで再審査されます。そして1つだけがトロフィー、惜しくも選ばれなかったものの特に秀でたものにリージョナルトロフィーの賞が与えられます。
またゴールドの中で生産量が四合瓶換算で10万本以上で日本の小売価格1,500円以下の銘柄の中から グレートバリューアワードが決定します。



最後に、10部門それぞれのトロフィーからチャンピオン・サケを決める最終審査をします。9つのお酒をテイスティングした後、ここではディスカッションをせずに一人ずつ投票し、他のCo-chairmanたちにも共有されません。主催者が結果を確認し、チャンピオン・サケが決定します。どのお酒も非常にレベルが高く、Co-Chairも時間をかけて一つずつじっくりと納得が行くまで最後の審査を行います。今年も大接戦となりましたが、無事、IWC 2025のチャンピオン・サケが決定致しました。 また全体の結果から、複数社の総合成績が最も顕著だった都道府県を対象に、
「サケ リージョンオブ ザ イヤー(Sake Region of the Year)」が授与されます。




メダル結果の発表は、5月20日、各部門トロフィーは5月27日、そしてチャンピオン・サケの発表9月9日に発表予定です。結果を楽しみにお待ちください。

Photo by Keisuke Irie