インターナショナルワインチャレンジ2019 ロンドン審査会報告(審査編)
2019年4月5日から8日までの4日間、ロンドンにおいて本年のIWC(International Wine Challenge)Sake部門の審査会が開催されました。
今年で13回目を迎える大会には世界14ヶ国から総勢59名のジャッジ(審査員)が集いました。
10に分かれた審査テーブルに5-6人ずつのグループに分かれてディスカッションをしながら審査を進められます。グループ分けは毎日変わっていきます。
IWC審査会はジャッジも5つの役割に分かれており、
Co-Chairman:この審査の最高責任者 5名
Panel Chairman:各審査テーブルの取りまとめ責任を持つ上級審査員 10名
Senior Judge:Panel Chairmanの補佐
Judge:一般審査員
Associate:初めて審査に参加する場合はAssociateとなります。
1日目、2日目はその酒がメダル受賞するに値するか、メダルに届かずCommended(推奨酒)かOutに振り分ける作業です。
各テーブルでCommendedまたはOutと判断されたものは、全てCo-Chairmanに集められ、その判断で良いか2回目の審査がなされます。
この審査でも結果が変わらない場合はこの段階で結果確定ですが、Co-Chairmanの判断でメダル審査に戻したほうがいいものは、3日目の審査に進みます。
1日目は普通酒→本醸造→純米→吟醸→大吟醸→スパークリングの6部門の審査、2日目は純米吟醸→純米大吟醸→古酒の3部門の審査が行われました。
1日目のスタート前に、Calibrationと呼ばれる審査最高責任者のCo-chairmanが予め選んだGold、からCommended、Outに該当するサンプル酒を、審査員全員が同じものをテイスティングして、判断のレベルを合わせてから審査に入ります。
また、明らかにFault(欠陥)があると判断されたお酒は、事後で全ての審査員がチェックできるように分けられます。TCAやSulfide(硫化)、Volatile(揮発)、Oxidation(老ね)などが
チェックされるポイントです。
3日目はメダル受賞に値すると判断されたお酒について、ゴールド、シルバー、ブロンズの
何に該当するか審査されます。
この日は各テーブルで、テイスティングコメントをしっかり書き込んでいきます。このコメントは結果発表とともにホームページ上で確認できるほかメーカーにもフィードバックされます。
各テーブルで決めたメダルの色について更にCo-Chairmanが確認をしていきます。
特にゴールドのお酒については厳しく審査されていき、この日が最も長丁場となります。
4日目は、Co-Chairman 5名、Panel Chairman10名の15名だけが審査に加わります。
ゴールドに選ばれたお酒からまずはトロフィーを決めるセッションです。
Panel Chairmanが3つのグループに分かれて、ゴールドの中でも最も優れた、部門最優秀にあたるトロフィーを選んでいきます。
トロフィーが部門の中で1つと決められない場合、トロフィー候補となったお酒だけで審査が再度行われます。そして1つだけがトロフィー、惜しくも選ばれなかったものの
特に秀でたものにリージョナルトロフィーの賞が与えられます。
最後に、9部門それぞれのトロフィーについて、Co-Chairman5名だけで最終審査です。
ここではディスカッションをせずに、それぞれ1人ずつが1テーブルに分かれて座り、
9つのお酒をティスティングして投票を行います。
投票用紙はCo-chairmanたちにも共有されず、主催者が結果を確認、チャンピョンサケが決定です。
メダルの発表は5月8日、チャンピオン・サケの発表は7月9日(日本時間10日未明)の
予定です。