IWC2016 Sake部門 審査会レポート【審査本番編】
酒サムライ事務局IWC部門
入江啓祐
2016年5月16日から18日にかけて行われましたインターナショナル・ワインチャレンジのSAKE部門は開催10周年を記念して、兵庫県で開催されました。
東日本大震災の影響により急遽開催された東京での審査に続いて、2度目の日本での審査は、本格的な事業としては初の試みとなりました。
今回は審査本番の模様です。今回は14か国から57名の審査員が参加しました。
前日5月15日(日)、兵庫県主催で井戸知事を迎えたウェルカムパーティが、西宮神社で開催されました。
会の成功を願って祈祷式
貴重な「津野山神楽」を特別に上演頂き、一同興味津々。
その後はパーティ会場に移り、包丁式や大関の皆さんによる酒造り唄など伝統的なパフォーマンスも堪能。
大きな歓待を受けました。
開会挨拶
兵庫県知事
IWC2016「SAKE部門」兵庫開催支援委員会 委員
井戸敏三氏
鏡開き
乾杯挨拶
灘五郷酒造組合理事長
IWC2016「SAKE部門」兵庫開催支援委員会 委員
白鶴酒造株式会社 代表取締役社長 嘉納健二氏
酒造り唄
パーティからホテルに戻ってからはシニアジャッジによる審査方針を決める会議。
サム・ハロップMW、大橋健一MW、サイモン・ホフストラ、楠田卓也4氏のCo-chairman(審査最高責任者)と
各審査テーブルでの審査進行を司るパネルジャッジ12名が一堂に会して、審査のポイント、運営の確認、
その他最終的な意識統一をして、一日を終えました。
審査1日目。
この日は1282銘柄のお酒の中から、メダルを授与するかしないかを判断する日です。
各テーブル4-5名の審査員に分かれ、ディスカッションをしながら1テーブル約100銘柄のお酒を審査して
いきます。
各審査員がそれぞれのコメントを披瀝しながら、最終的な評価をパネルジャッジが取りまとめて、翌日のメダルを
決める審査に回すか、それとも審査対象からこの段階で外す(OUT)かを決めます。
ここで審査から外れると判断されたOUTの評価がついたお酒は、全てCo-chairmanのもとへ。彼らが全ての
お酒を再度テイスティングした上で、最終の評価が確定します。
Co-chairmanの判断によっては翌日の審査に復活するものも出てきます。
審査2日目。この日は、前日「メダルに値する」と判断されたお酒にゴールド、シルバー、ブロンズ、コメンデッド(推奨)のうち、どのメダルを与えるかを決める審査を行います。
前日とは組替えがされた審査員グループが、改めてメダルの色を決めていく審査を行います。
ここで審査員の技量を図る目的で、前日「審査対象外(OUT)」も主催者から意図的に混ぜられます。
ただ、ひいき目無しにOUTと評価されたお酒は2日目の審査員からも見事なまでに高い確率でOUTと
判断されます。審査員のグループが違っても審査レベルや審査基準の一貫性を見る瞬間です。
ゴールドと判断されたお酒については、さらにCo-chairmanがゴールドに相応しいかを評価。
全体で毎年3−5%しか出現しないゴールド受賞酒の重みが伝わってきます。
審査3日目が最終日。この日は、Co-chairmanとパネルジャッジだけが審査に加わります。
午前中各部門のゴールド受賞酒の中から、トロフィー候補をパネルジャッジが選んでいきます。
パネルジャッジがトロフィーと判断した9カテゴリー各1銘柄、合計9銘柄が選ばれます。
またトロフィーには惜しくも届かないもののゴールドの中でも秀逸と判断されたものにはリージョナル
トロフィーが与えられます。
また、720ml換算で国内市販価格1000円以下、生産量10万本超銘柄に対して与えられる、グレード
バリュー・サケの審査も行われました。こちらも候補3銘柄の中から、1銘柄が決定しました。
そしていよいよトロフィーの9銘柄から今年のチャンピオンサケが決まります。
この審査にはCo-chairmanの4名だけが参加します。
慎重に吟味され、議論を深めた結果選ばれた今年のチャンピョンサケ。
結果は7月7日、ロンドン時間22時頃のアワードディナーの会場で発表されます。
これにて今年の審査が全て滞りなく終了しました。